「インスタ映え」で一世風靡したInstagramは進化を遂げ、今では動画の公開やライブなどさまざまな機能が増え、情報収集の手段としてなど、利用用途が広がっています。

そんなInstagramは、消費者の娯楽ツールとしてだけでなく、企業のマーケティングツールとしても重要性が高まっています。当記事では、Instagramを活用したマーケティングについて解説していきます。

Instagramマーケティングとは

Instagramマーケティングとは、Instagramを活用して認知拡大や購買誘導などを目的とするマーケティング活動のことです。企業から投稿を発信するだけでなく、ユーザーに投稿を促すことで双方向での交流を促し、ファンの醸成・ファンによる認知拡大などの効果が期待できます。

非常に多くの人が利用しているSNSの中でも、Instagramは画像や動画の投稿が主流であるため、視覚的訴求に強い特徴があります。そのため、有形商材は特に相性が良いでしょう。

一方、無形商材でもリール（ショート動画）の活用により、ノウハウを提供することができるため、十分に効果を出すことも可能です。

そもそもSNSマーケティングとは？

SNSマーケティングとは、X、LINE、FacebookなどのSNSを活用して、認知拡大や購買行動を誘導するマーケティング施策です。それぞれのSNSは運営している企業が異なり、ユーザー層や利用用途など異なります。

一方、ユーザーが投稿し合うツールという特徴は一致しているため、ユーザーの投稿を促し活用する本質的な考え方は共通しています。

また、どのSNSもショート動画が投稿できるようになってきており、たとえば同じショート動画をInstagramとTikTok両方に投稿をしている企業も多く見受けられます。

Instagramと他のSNSとの違いとは？

Instagramの特徴は、写真・動画など視覚的訴求に長けている一方、Xのような拡散力はございません。ただし、顧客の属性・好みに応じたパーソナライズの精度は高いため、届けたいターゲットに投稿を届けることは十分に可能です。

Instagramマーケティングの主な手法

Instagramには主に6つの手法があります。

Instagramのアカウント運用

Instagramのアカウント運用です。そもそも自社アカウントにコンテンツを投稿して情報を発信する方法があります。Instagramには画像・動画、24時間で消えてしまうストーリーズ投稿、ライブ配信などができます。

無料で投稿ができるため、簡単に始めることができる一方、効果を出すためには継続的に行うことが必要です。また、投稿時間や投稿する時のキャプションの書き方など、細かい部分での工夫が必要です。

Instagramで広告運用

Instagramには、広告を運用することができます。配信できる場所は「フィード」や「発見タブ」など、さまざまあります。特徴は細かくターゲットを設定できる点です。InstagramはFacebookで有名なMeta社が親会社であり、FacebookやInstagramなどのユーザーデータを用いることで、年齢・性別だけでなく興味・関心など、自社のペルソナに合った配信が可能です。

最低出稿金額は100円から可能ですが、広告の自動最適化機能があるため、週50件以上のコンバージョン獲得が正常に学習するための目安となります。コンバージョンは、広告をクリックした回数、広告が1,000回表示された場合など各種ありますが、概ね数十円から数百円程度です。１回のクリック単価が100円程度だとすると週に5,000円程度から始めると良い計算になります。

また、運用型広告は目的にもよりますが、最低3か月程は検証期間として続けたほうがよいでしょう。

ユーザーに投稿を促す運用

SNSマーケティングは、ユーザーに投稿してもらうことで最大の効果を発揮します。なぜなら、自社アカウントで投稿してもリーチできる数には限りがあります。しかし、100名に投稿してもらえれば、それぞれのフォロワーが30人であったとしても、3000人程度に届くことになります。自社アカウントだけで完結させようとせず、ユーザーのアカウントを巻き込むことで、より多くの人にリーチすることができます。

ユーザー投稿を促すためには、投稿してもらいやすくするため、自社独自のハッシュタグを設けることや、フォトコンテストやプレゼントキャンペーンなどのイベントを通じて増やす方法があります。

ユーザーの投稿を活用する方法

ユーザーが投稿した自社の商品・サービスに関する投稿は、口コミとして高い販促効果を得られる可能性があります。Instagramマーケティングでは「UGC活用」という呼び方が一般的です。Instagramでリポストして共有することや、webサイトなど販促物に活用すると、より多くの人にリーチができます。

インフルエンサーの起用

SNSなどで影響力の高い人をインフルエンサーと呼びます。幅は広くフォロワー数が100万人以上いる有名人レベルのインフルエンサーから、数百・数千人クラスのフォロー数でニッチな趣味など一定の分野において強い影響力を持つマイクロインフルエンサーなども存在します。

インフルエンサーに宣伝を依頼することで、商品紹介や商品に関する投稿を増やしてもらうなどを行うこともできます。ただし、企業から依頼する時には、景品表示法に基づき、インフルエンサー側が依頼されて紹介したことが分かるように説明・記述をする必要があります。

Instagramショッピング

投稿画面より直接ECサイトなどの購入ページに飛ばすこともできます。基本的にSNS自体には購買機能がなく、別途サイトに訪問して購入することが基本ですが、ECサイトと連携することで直接的な販促活動ができます。

Instagramマーケティングのメリット

ブランディングがしやすい

Instagramは、画像や動画の投稿がベースです。自社アカウントのプロフィール画面では、過去の投稿含めて一覧で閲覧することが可能なため、統一感のある投稿が多ければ、ブランドイメージを伝えることができます。

ターゲットに対して有益な投稿が多い場合や、興味関心をひく投稿が多ければブランディングとなり、顧客のファン化にもつながります。

さまざまな角度でアプローチができる

Instagramは、通常の投稿以外にもさまざまな機能があります。例えばストーリーズと呼ばれる24時間で投稿が消える機能では、アンケートやクイズを行うなどユーザーとコミュニケーションが行えます。またライブ配信を行えるインスタライブもあります。

このようにさまざまな機能があるため、Instagramという１つのサービス内で、多角的なアプローチが可能です。

認知拡大を行うことができる

Instagramは、興味関心などに合わせたパーソナライズの精度が高い傾向にあります。例えば、料理が好きな可能性の高い人には料理系の投稿がより多く表示されるようになります。特にフィードなどフォローの有無に関わらず表示されます。

そのため、料理好きをターゲットにしたい場合には、効率よく認知拡大を行うことができます。Instagramの利用者数は2023年１２月時点での国内アクティブユーザーは6,600万人以上いると言われており、ニッチなカテゴリにおいても非常に多くのユーザーがいる可能性があります。

Instagramマーケティングのデメリット

Xと比べて拡散力は弱い

Instagram含めSNSは拡散力が高い点が強みですが、SNSの中で比較すると拡散力は強くはありません。１回の投稿でバズるといった爆発的な拡散の可能性は高くありません。

継続的な投稿、顧客との対話が重要です。

基本的に消費者の娯楽ツールであり、販促ツールではない

Instagramは、メルマガや広告といったマーケティングツールではありません。あくまで消費者同士が交流する娯楽目的のツールです。そのため、広告色を強くすること・購買に結び付けるための投稿ばかりにしてしまうと、ユーザーから敬遠される可能性があります。

Instagramというツールを通じてコミュニケーションを行い、ファンを増やすことを心がけましょう。

投稿の質が重要になる

投稿には必ず画像または動画が必要になるため、テキストベースのSNSと比べて一定のクオリティが伴われます。特に飲食業や観光業などビジュアルが求められやすいジャンルの場合、プロに依頼するなどの必要性もあるでしょう。

Instagramマーケティングの運用のコツ

ターゲットを明確にする

Instagramの強みとなるパーソナライズの性能を活かすため、またユーザーにとって正しくブランド認知をしてもらうためには、「誰に対して見てもらいたいか」のターゲットを決めることが重要です。

ターゲットは「ペルソナ」と呼ぶ顧客の傾向から１つの人格（人物像）を作ることをオススメします。実際には実在しないようなペルソナにならないよう配慮が必要ですが、具体的な人物像を想像できれば、投稿する内容も考えやすくなります。

購買ではなく、ファン作りを意識する

ここまで解説した通りInstagramで宣伝色を出すことはあまり得策ではありません。顧客と対等な目線に立ち、緩く長期的な接点を構築することで、ファンを醸成することが重要です。

熱狂的なファンが増えれば、おのずと購買に結び付くだけでなく、ファンが新たな顧客を呼び、新規顧客獲得に繋がる可能性があります。SNSの特性をよく理解し、利益を上げるためにあえて利益を求めすぎないInstagram運用が大切です。

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